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ペットサロン

働きやすい環境づくりのヒント集

近年、業界を問わずさまざまな企業で「働きやすい環境づくり」に対する取り組みが進められています。なかでも、現場でトリマーとして活躍されている方の8~9割が女性の店舗様は、より一層「働きやすい環境づくり」を工夫することが重要です。

さらに、トリマーさんの磨き抜かれた美容施術や飼い主さんとペットに寄り添った提案は、AI(デジタル)では対応できず、他業種と比較するとヒトへの依存度が非常に高いです。

これから雇用を増やしたいと考えてはいるものの、「女性従業員がすぐに退職してしまう」「求人募集しても応募が集まらない」「経営の担い手として雇用したい」などお悩みではありませんか?「どこからどうやって着手して良いものか・・・」が分からず悩んでおられる方に向けて、ペット美容業界における働きやすい環境づくりのヒントを、独自の目線でご紹介します。


現状の課題を見つめてみよう

現在のペットサロンが抱える課題

「働きやすい環境づくり」がなぜ必要なのか
現在のペットサロンが抱えておられる課題は、「労働生産性の低さ」と「労働力不足」の2軸です。この負のループが続き、最終的に働き手が誰もいなくなり経営が困難になります。(※経営状況により異なります。)
だから、「働きやすい環境づくり」が必要不可欠です。

ペット美容業界の特徴
求人はトリミングサロン勤務経験者が大半(育成にコストをかけることが難しい)です。圧倒的に女性が多い傾向にあり、現場で働いている人の8~9割は女性です。トリマーさんは、スタッフからチーフや店長などの管理職、そして独立というキャリアパスしかなく多様性が他業種と比較すると低いといえます。ワークライフバランスを保つことが難しい職場環境であることから、休眠トリマーが復職するケースは少ない傾向といえます。


「働きやすい環境づくり」のヒント

「労働環境」

スタッフが仕事を行う上での物理的な環境や、人間関係、組織文化、制度などの要素を含めた、労働に関するあらゆる要素を指します。労働環境が整備されることで、スタッフの健康や安全、生産性の向上などが期待されます。

時間外労働を減らす
現状として必要であるから、結果的に時間外労働を依頼されているかと思います。
そこで、勤務時間にバリエーションを持たせることも一つの手段です。
例えば
・業務の短縮時間パターンを複数設定
・一日当たりの勤務時間を減らし、勤務日数を増やす
・スタッフが希望する日程の勤務時間を短縮や変動させる
・1業務を複数にて担う

業務と待遇を見直す
「定型業務の効率化」「情報共有の方法の再考」等、まずは身近な業務内容であるカルテ整理や電話対応時間、シャンプーの時間などを見直してみませんか?見直すためにはまず「業務の見える化」が重要です。「やるべきこと」とそれに対してどれだけの時間がかかっているのかを、現場のスタッフで把握しましょう。そのうえで洗い出し、重要なものに集中できる環境を整えましょう。

ITツールを活用する
「直接話したほうが早い」と思われるかもしれませんが、複数名で働いている場合は、情報共有ツールとしてITを活用すると、情報管理・共有が大変スムーズです。
そして個人の記憶を頼りにするのではではなく、「記録」しておくことで共有すべき情報も新しいスタッフが増えた際に簡単に共有できます。
全員がスムーズに利用できるように、デバイスを選択することも重要です。
スタッフの場合はスマホが圧倒的便利でしょうし、管理職の方はパソコンを活用する方がなにかと便利です。

「コミュニケーション・育成」

スタッフ間で、情報や意見を共有することで相手の理解を深め、信頼関係を築くことができます。また、スタッフのスキルや能力を伸ばし、成長を促すための取り組みも含まれます。コミュニケーション・育成が行き届いたペットサロン様では、スタッフが自らの成長を感じられる環境が整い、生産性やモチベーションの向上につながります。

情報共有がスムーズに行えるように

業務を進める上で必ず必要な仕事のひとつです。情報共有がスムーズにできると、それだけ業務負荷が少ない職場であるといえるでしょう。風通しの良い職場環境を目指しましょう。また、スタッフ個々のノウハウを共有する仕組みがあると、全員のスキルが底上げされて、少ない負荷でより良い成果を出せる可能性があります。

お互いに尊重し合える工夫と制度を
ハラスメントを防止するためには、被害者を作らないという視点だけでなく、加害者を作らない、組織にとって必要という視点が大切です。

学び続けられる環境を
学ぶことで新たに得た知識によって新しい視点が生まれます。 新しい視点ができたことで物事を考えるとき、いろいろな角度から考察できるようになります。その結果として視野が広がり、今まで以上にカットのクオリティが向上したり飼い主様に深く寄り添った提案ができるようになり、より顧客から感謝され、スタッフのモチベーションが上がるだけでなくより豊かな人生をおくれるようになり、そしてペットサロン自体の付加価値向上にもつながります。


働き方改革の参考事例

限られた人員の枠にとどまったオペレーション
セルフオーダーシステム導入(メニューを覚えなくても接客業務が可能)。未経験者への教育時間の短縮。業務に余裕をもたらし、接客や技術の学びの時間として有効活用。

他業種と並行することによる多様な働き方
カフェやホテル、トレーニング教室、イベント開催、動画制作等の他事業を並行して行うことで、多様な働き方を実現。

平日・朝・時季・曜日・時間帯で分けた価格設定
繁閑差をおだやかにし、市場のニーズをコントロール。お客様を誘導し稼働率を向上。土日休・17時退社などが可能になり、子どもを持つ従業員が働きやすい環境へ、それが産休・育休後の復帰の後押しとなる。

業務委託の導入
他店舗の業務も受けられるようにしながら、フリーになっても働きやすい体制を。働く地域や店舗、企業が変わっても、自身の業務スキルを立証できるように工夫。

ヒトでなくて良い部分は断ち切る
来来店前に飼い主様に準備しておいて欲しい物等は自動リマインドメールで送る。飼い主様が不安になることなどは、よくある質問動画にまとめてSNS配信する。


「働きやすい環境づくり」のメリット

モチベーション向上
スタッフの心身の負担を軽減することで、「働きがい」が実現されやすくなります。そして、働きがいのある職場であれば、業務への意欲や技術向上の関心も高まり、自然とモチベーション向上につながります。

技術、接客の質向上
業務に集中し取り組むことができれば時間の余裕が発生します。そのスキマ時間を活用して、学んだり、サービスの質を向上させるためにどうすればいいのか等企画提案することができます。その結果として技術や接客の質を向上させることができます。

離職率の低下
新たな人財の確保はもちろんのことですが、現在活躍しているスタッフが退職しない環境づくりも重要です。働き続けやすい環境を整えることで、業務に対する意識は高まります。退職理由としては、給与面よりも「労働負荷(体力、時間、休日)」が多くあげられるので、これらの課題をいかにクリアし、働きやすい職場環境にできるかが経営を左右します。


最後に

働きやすい環境を整えた後に注意すべきことは、維持・改善することです。環境が整った後でも、定期的に見直し改善することで社員の働きやすさを維持し、生産性向上につなげることができます。また、現場のスタッフからのフィードバックを収集し、改善点を把握することも重要です。働いて成果を上げる上で、店舗内環境等の物理的な環境から、人間関係といった目に見えない精神面においても配慮が必要です。そして、働きやすい環境だけでなく、社員が自分自身の成長を感じられるような環境づくりも大切です。


ペット美容業界がもっと盛り上がる様にわたしたちは応援しています。